「フルタイムパートで働いているけど、毎日が時間との戦い…。」
そんな悩みを抱えるシングルマザーは少なくありません。正社員と比べて柔軟な面がある一方で、収入や時間管理に苦労する声も多く聞かれます。
本記事では、シングルマザーがフルタイムパートで働く際の現実的な生活と、1日のタイムスケジュールをどう工夫すべきかを詳しく解説します。
- フルタイムパートは収入と生活バランスのとれた働き方
- 正社員との違いや選ぶべきタイミングを明確に解説
- タイムスケジュール管理で家事・育児の両立が可能に
- 支援制度と時短ルーチンの活用で無理なく働ける
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シングルマザーがフルタイムパートを選ぶ理由と生活の実態
フルタイムパートという働き方の定義と特徴
「フルタイムパート」とは、正社員と同じく1日7~8時間、週5日程度働くパートタイム労働者のことを指して、給与体系は時給制であることが多く、雇用形態としては非正規に分類。
この働き方は特にシングルマザーから支持を得ており、以下の特徴があります。
時間の柔軟性は少ないが、短時間パートよりも収入が安定
社会保険の適用対象となるケースが多い(週30時間超など)
雇用主との契約更新制であるため、将来的な不安も残る
特に2025年4月時点では、労働時間が一定以上あれば企業規模に関係なく社会保険加入が義務化されており、フルタイムパートも手厚い制度の恩恵を受けやすくなっています。
参考元:🔗 社会保険適用拡大 特設サイト - 厚生労働省
正社員とパート、シングルマザーにとっての違いとは?
正社員とフルタイムパートには、勤務時間や仕事内容に大きな差がない場合もありますが、待遇や裁量権などにおいては以下のような違いがあります。
比較項目 | 正社員 | フルタイムパート |
---|---|---|
雇用形態 | 無期雇用(安定) | 有期雇用が多い |
賞与・昇給 | あり(業績連動) | なし/ごく少額 |
キャリアパス | 昇進や異動あり | 限定的/昇格制度なしが一般的 |
時給・月給形態 | 月給制が主流 | 時給制が主流 |
残業・転勤 | 発生しやすい | 基本的になし(契約次第) |
フルタイムパートは、収入は抑えられるものの、家庭とのバランスが取りやすいという実用性から、シングルマザーに選ばれる理由のひとつとなっています。
母子家庭でパートを選ぶメリット・デメリット
シングルマザーが「フルタイムパート」を選択するのは、家庭との両立を現実的に図るためです。
ただしメリットとデメリットの両面を理解したうえで選ぶことが大切です。
メリット
保育園や学童の時間内で働きやすい
家庭の事情に合わせて勤務日や時間を調整しやすい
時間外労働が少ないため心身の負担が軽い
扶養内外の年収コントロールが可能
デメリット
昇給・賞与がない、年収が頭打ちになりやすい
雇用が不安定になりがち(契約更新制)
世帯年収が増えないことで住宅ローン等が通りにくい
児童扶養手当などの支援は受けられても、将来資金が不安定
「子どもとの時間を取りたい」「通院・介護など事情がある」など、人生のステージによってパートを選ぶ価値は十分にあると言えます。
「正社員にならないと損」は本当か?
「正社員にならないと将来が不安」「パートは損」――そうした声はよく聞かれますが、全てのシングルマザーにとって正社員が“得”とは限りません。
たとえば、以下のような事情を抱える方にとっては、正社員であることが必ずしも最適解ではないことがあります。
小さな子どもがいて急な欠勤が多くなる
通勤距離が長く、家事育児と両立しづらい
精神的・体力的にフルタイムの拘束がつらい
2025年4月現在では、短時間勤務でも社会保険の適用範囲が拡大しており、企業規模にかかわらず「週20時間以上・年収106万円以上」などの条件を満たせば被保険者となれるため、以前よりもパートで得られる保障が充実しています。
つまり、「正社員でなければ不利」という考え方そのものが、今では見直されつつあるのです。
月いくらあれば生活できる?平均支出と最低ライン
フルタイムパートで働くシングルマザーが「実際に生活していけるのか」という疑問に対し、月に必要な生活費の目安を具体的に見てみましょう。
項目 | 月額目安(1人+子1人) |
---|---|
家賃 | 5〜7万円(地域差あり) |
食費 | 3〜4万円 |
光熱費 | 約1.5万円 |
通信費 | 約1万円 |
教育費・学用品 | 1〜2万円 |
医療費・雑費 | 5,000〜1万円 |
合計 | おおよそ12〜16万円前後 |
仮に手取りが17〜18万円あれば、節約を前提とした最低限の生活は可能ですが、貯蓄や突発的な支出(修繕・通院・冠婚葬祭など)を考えると、月20万円以上が生活安定の目安となります。
手取り17万円の場合の家賃・生活費バランス
例えば、フルタイムパートで月収が約20万円、そこから税金や保険料を引いて手取り17万円だと仮定した場合、どのような支出配分が現実的でしょうか。
支出項目 | 目安配分 | コメント |
---|---|---|
家賃 | 5〜6万円 | 地域によってはURや公営住宅も検討可 |
食費 | 3〜3.5万円 | 外食を控え自炊中心に |
光熱・通信費 | 2.5万円前後 | 固定費の見直しが効果的 |
教育・学用品 | 1.5万円 | 公立+助成制度で軽減可能 |
医療・雑費 | 1万円 | 年間ベースで管理を |
残り | 3万円前後 | 貯蓄・予備費としてキープ |
このように、家賃を抑える工夫と支援制度の活用がカギとなります。
母子家庭向けの家賃補助や、公営住宅の優先入居枠などを事前に調べておくと、生活の安定につながります。
1日のスケジュール例と家事・育児・自分時間の確保法
子どもが小学生の場合のスケジュール上の壁とは?
シングルマザーがフルタイムパートで働く際に、小学生の子どもを抱える家庭では「時間差の壁」が生じやすくなります。
具体的には以下のような点で悩みが増えます。
小学校の下校時間が早く、学童の終了時間も17〜18時と短い
高学年になると学童が利用できなくなり「1人留守番」が常態化
宿題やおやつの時間が曖昧になり、生活リズムが乱れやすい
親の帰宅後に宿題確認、夕飯、風呂とタスクが重なる
このようなスケジュールのズレにより、子どもに寂しさや不安を感じさせたり、親側も精神的に追い込まれるケースが少なくありません。
フルタイム勤務がきついと感じたら
もし現在、時間的にも精神的にも「もう限界かも」と感じている方は、以下の記事でご紹介している対処法や働き方の見直しも検討してみてください。
▶️ シングルマザーでフルタイムはきつい?疲れた時の対処法と両立のコツ
*疲労のサイン、夕方ルーチンの見直し、賢い働き方や制度の使い方などをわかりやすく紹介しています。
フルタイムは何時から何時まで?就労パターンの例
「フルタイムパートって何時から何時まで働くの?」という疑問に対し、以下のようなパターンが一般的です。
勤務時間帯例 | 内容 |
---|---|
8:00〜17:00 | 保育園・学童利用者に多い/家から近い職場向け |
9:00〜18:00 | 企業の基本的な営業時間/退勤後が忙しくなる傾向 |
10:00〜19:00 | 飲食・販売業に多い/朝の余裕はあるが帰宅が遅め |
シフト制(時間変動) | 週末や繁忙期に時間帯が変動する職場/保育調整が難しい |
どの時間帯でも共通していえるのは、朝の出勤前と夜の帰宅後に家事・育児のタスクがぎっしり詰まることです。
働くママは何時起き?リアルな朝の準備タイム
フルタイムパートで働くシングルマザーの多くは、朝5時〜6時に起床するのが一般的です。
子どもを送り出すまでに必要な準備が集中するため、朝は「一人3役」をこなす最も慌ただしい時間帯です。
主な朝の流れは以下のようなイメージです。
時刻 | 内容 |
---|---|
5:30 | 起床、洗濯機回す・弁当用意・朝食準備など |
6:30 | 子ども起床、朝食 → 支度の声かけ・荷物確認など |
7:30前後 | 子ども登校/保育園へ送り、自身の出勤準備 |
8:00〜 | 出勤開始 |
朝のスタートでつまずくと、1日が重く感じてしまいます。
そのため「前夜におかずを作る」「制服や荷物を前日にセット」などの**“朝を作る夜習慣”**がカギになります。
朝家事・夜家事をどう分担する?時短テクと優先順位
家事をすべてこなそうとすると、心身がもちません。
「すべてをやろう」とせず、“優先順位”と“自動化・省略”の発想がポイントです。
朝やる家事の例
洗濯機のスイッチだけ押して、干すのは帰宅後 or 乾燥機任せ
朝食は前夜の残りや冷凍保存を活用して5分で出す
夜に回す家事の例
風呂は子どもと一緒に入って時短、掃除は週末まとめて
洗い物は食洗機、または1日2回に分けるだけで負担が半減
とくに「洗濯・炊事・風呂」が日々の負担TOP3になりがちです。
“完璧にやること”ではなく“無理なく回すこと”が継続のコツです。
家事で一番しんどい作業は?乗り越えるポイント
多くのシングルマザーが「一番つらい」と感じるのが、夕飯づくりとその後の片づけ。
疲れきった状態で帰宅し、「今日何作ろう…」「食器の山…」と直面すると、心が折れそうになる瞬間も少なくありません。
乗り越えるポイント
献立は3パターンだけ決めて“迷わない仕組み”にする
週末に3日分の下ごしらえを冷凍(作り置きよりも応用が効く)
食器は“1人1セット制”で、家族ごとに片付けを習慣化
洗い物が終わったら「お茶とスマホタイム」を自分に約束する
「しんどい家事」をゼロにはできなくても、“気が重くならない工夫”を持っておくことが、心の余裕を守る方法です。
家事ルーチンの作り方と週末にまとめる習慣術
平日を乗り切るためには、「家事をする時間を減らす」のではなく、“やる時間を決めておく”ルーチン化が重要です。
以下はシングルマザーに人気のルーチン例です。
家事項目 | 平日 | 週末 |
---|---|---|
掃除 | 朝の5分間だけクイック掃除 | 家全体を掃除機+拭き掃除(日曜午前) |
洗濯 | 毎晩→翌朝干す | 乾燥機でまとめて/たたまずハンガー収納 |
料理 | 冷凍弁当や時短キット | 3〜5品まとめて下ごしらえ→冷凍ストック化 |
ゴミ出し | 就寝前に玄関へ準備 | 忘れ防止のため曜日を固定 |
ポイントは、「毎回判断する」時間と労力をゼロにすること。
ルーチンが定着すると、「考える疲れ」から解放されます。
自分の時間は確保できる?夜と通勤時間の活用法
フルタイムパートの生活では、「1人になれる時間がない」と感じることが多くなります。
そこで、自分の時間を“新たに作る”のではなく、“隙間に入れる”工夫が有効です。
おすすめの活用法
【通勤時間】音声メディアで情報収集 or 癒しの時間に
【夜】家事後の15分を「スマホ・お茶・軽読書」に固定
【昼休み】車の中や静かな場所で仮眠や深呼吸リセット
【休日】朝に10分だけ子どもより早起きしてストレッチ
「5分でも“自分のためだけの時間”を確保する」ことが、メンタル安定の鍵となります。
子どもとの時間をどうやって捻出するか?
忙しい毎日でも、子どもとの関係を大切にしたい――そのために必要なのは、「量」ではなく「質」を意識することです。
短時間でも密度の濃い関わり方
食事中だけはテレビやスマホをOFF → 会話に集中
夜の10分だけ読書やトランプなど“顔を見て遊ぶ”時間を確保
朝の登校前に「今日もがんばってね」と声かける習慣
週末の1時間だけでも“2人の時間”を決める(買い物・散歩)
「たくさん遊べなかった」という罪悪感よりも、“自分はちゃんと見てもらえている”という安心感を育む時間づくりが大切です。
よくある質問Q&A10選(タイムスケジュール編)
Q1:フルタイムパートって正社員とどう違うの?
A:勤務時間は近くても、賞与や昇進制度の有無、雇用契約の安定性に違いがあります。
Q2:シングルマザーは月にいくらあれば生活できますか?
A:最低限なら月12〜16万円程度、余裕を持つなら20万円以上が目安です。
Q3:手取り17万円だと家賃はいくらまでが理想?
A:収入の30%以内が目安。手取り17万円なら家賃5万円台が安全圏です。
Q4:働くママは何時に起きていますか?
A:5時〜6時に起きて、子どもと自分の準備をこなす方が多いです。
Q5:フルタイムは何時から何時までの勤務が多い?
A:8〜17時や9〜18時が一般的ですが、職場によってばらつきがあります。
Q6:朝と夜、いつ家事をすればいい?
A:朝は最低限にして、夜にまとめるか週末に回すルーチン化が有効です。
Q7:家事の中で一番つらいのは?
A:夕飯づくりとその後の片付けが最も負担という声が多いです。
Q8:子どもとの時間がとれません。どうすれば?
A:毎日10分でも“顔を見て会話する時間”をつくることが信頼感に繋がります。
Q9:タイムスケジュールをうまく組める自信がありません。
A:完璧を目指さず「時間帯ごとの型」を決めるだけで、家事と育児の回し方が安定します。
Q10:ずっとパートで大丈夫?将来が不安です。
A:今の生活と心身のバランスを優先し、必要に応じてスキルアップを検討すると◎です。
シングルマザーのフルタイムパート!タイムスケジュールと時間確保の工夫のまとめ
- フルタイムパートは時給制の非正規だが安定収入を得やすい働き方
- 正社員との違いは雇用安定性・賞与・昇進などの待遇面
- 月に最低12〜16万円、安定を目指すなら20万円以上が目安
- 子どもが小学生になると学童終了後の対応に苦労しやすい
- 多くのシングルマザーは朝5〜6時に起きて1日をスタート
- 家事は朝と夜で分担し、省略・自動化・週末まとめがカギ
- タイムスケジュールは「型」を決めて生活リズムを安定させる
- 自分時間は通勤・夜・昼休みなどの隙間を活用して確保
- 子どもとの時間は短くても“顔を見て会話”を心がけることが大切
- ずっとパートでも制度と支出管理を意識すれば十分に生活できる
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